ざっくりまとめようと思います。
戦後のカリキュラムの系譜
昭和20代: 経験カリキュラム
昭和30~40年代: 学問中心カリキュラム
昭和50年代~現在: 人間中心カリキュラム
平成20年・21年度告示 小学校及び中学校学習指導要領の改訂のポイント
1 改訂版における基本的な考え方
1-1 教育の理念を踏まえ「生きる力」を育成
・「知識基盤社会」で重要になる「生きる力」という理念を継承。「生きる力」を支える「確かな学力」「豊かな心」「健やかな体」の調和を重視。
・公共の精神、伝統・文化の尊重を踏まえ、伝統・文化の教育や道徳教育、体験活動等を充実。
1-2 知識・技能の習得、思考力・判断力・表現力の育成
・各教科で、基礎基本を習得したうえで、観察・実験やレポート、論述など知識・技能を活用する活動を充実し、思考力・判断力・表現力等を育成。
・基盤になる言語能力について、国語の時間のみならず育成を行なう。
・国語、社会、算数・数学、理科、外国語等の授業時数を増加。
・キャリア教育を通じ、学習習慣を確立する。
1-3 道徳や体育を充実、豊かな心と健やかな体を育成。
・体験活動を活用し、道徳教育や体力向上についての指導、安全教育や食育などの充実し、豊かな心と健やかな体を育成する。
2 教科内容の主な改善
2-1 言語活動の充実
・言語は、知的活動やコミュニケーション、感性・情緒の基盤。
・国語で基本的な力を養い、それを各教科において説明、論述、討論といった活動につなげる。
2-2 理数教育の充実
・理数教育は科学技術の土台。国際的な通用性、内容の系統性、小・中学校の円滑な接続を踏まえた指導内容を充実。
2-3 伝統や文化に関する教育の充実
・各教科において、我が国の伝統や文化を受け止め、それを継承・発展させるための教育の充実。
・具体例: 国語科での古典、社会科での歴史学習、音楽家での唱歌・和楽器、美術科での我が国の美術文化、保健体育での武道など。
2-4 道徳教育の充実
・道徳教育は、道徳の時間を要として教育活動全体を通じて行なう。
・発達段階に応じて指導内容を重点化、体験活動の推進。
・道徳教育推進教師を中心に、全教師が協力して道徳教育を展開する。
・先人の生き方、自然、伝統と文化、スポーツなど、児童生徒が感動を覚える教材の活用。
2-5 体験活動の充実
・子どもたちの社会性と豊かな人間性の育成のため、発達段階に応じて、集団宿泊や自然体験、職場体験を重点的に推進する。
2-6 外国語活動の充実
・積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度を育成し、言語・文化に対する理解を深めるために、小学校高学年に外国語活動を導入。
・中学校においては、語彙数の充実と、聞・話・読・書を総合的に行なう活動を充実する。
大学を卒業し、ある学校で英語を教えています。 学校での実践、読書、音楽、随想など様々に書きたいですが、「自分の言葉を修練する」ということを意識しながら綴りたいです。 よろしくお願いします。
2011年7月7日木曜日
鹿児島県 平成23年度教育行政の施策概要
平成23年度の施策概要
重点施策の概要
I 規範意識を養い、豊かな心と健やかな体をはぐくむ教育の推進
道徳教育の充実(義務教育課、高校教育課、社会教育課)
「人間尊重の精神」「生命に対する畏敬の念」などに加え、「伝統と文化の尊重」、「我が国と郷土への愛と、他国への尊重」、「公共の精神」についての取り組みを推進します。
児童生徒の実態と、発達段階に応じた教育活動全体での道徳教育の充実を図り、教職員の指導力向上、家庭・地域・企業との連携を強め、児童生徒の道徳性を高める高める取り組みを社会全体で進める。
主な取り組み、以下新しい試みは(新)とする
a. 道徳教育総合支援事業(新)
・心の教育支援会議
・郷土教育読み物教材の活用
・「心のノート」の活用
b. 郷土教育読み物教材の開発
c. 初任者研修事業
d. 現職職員等研修事業
・教職経験者研修(5年経験者、10年経験者)
e. 県総合教育センター研修(短期)
・道徳など
f. みんなで支える家庭教育推進(新)
・家庭教育相談員の養成研修
・家庭教育学級への支援及び企業の理解促進
g. 青少年の自然体験活動
生徒指導の充実(義務教育課、高校教育課、社会教育課)
「いじめは許されない」という絶対の認識の下に、すべての児童生徒が「学校はいじめ問題に対して真剣に考え、わたしたちを守ってくれる」ということを実感できるようにする。いじめについての授業をするとともに、不登校や問題行動に対する教育相談・支援体制の整備を行ない、学校・家庭・地域社会で一丸となって、いじめ問題解決に取り組む。
主な取り組み
a. スクールカウンセラーの配置
b. スクールソーシャルワーカー活用(新)
c. いじめ問題等相談員派遣
d. 子どものサポート体制整備
e. かごしま教育ホットライン24
f. 家庭用「いじめ対策リーフレット」配布
g. 「いじめ問題を考える週間」の取り組み
h. 心をひらく生徒指導力向上事業
i. 高校不登校生等対策
j. みんなで支える家庭教育推進(新)、上記「道徳指導の充実」に同じ
人権教育の充実(人権同和教育課、社会教育課)
学校・家庭・地域等において同和教育をはじめとする人権教育の充実を図る。
主な取り組み
a. 人権教育研修
b. 人権教育推進
c. 人権教育開発(新)
d. 人権教育啓発
子ども読書活動の推進(社会教育課、義務教育課、高校教育課)
「鹿児島県子ども読書活動推進計画」に基づき、子どもの読書を推進する社会的気運の醸成、「子ども読書の日(4/23)」を中心とした取り組み、児童生徒の読書習慣確立を目指した「朝読書」の促進など、社会全体で取り組む。
主な取り組み
a. 読書活動推進員養成講座
・読書活動に関する理解・技能のスキルアップ
b. 「子どもの読書活動推進」支援事業
・図書館、学校等への講師派遣
食育の推進(保健体育課、義務教育課、高校教育課、社会教育課、学校施設課、教職員課)
「かごしまの食推進交流計画」に沿って、学校・家庭・地域が連携して、食に関する自己管理能力の育成するための取り組みを推進する。
主な取り組み
a. 学校給食指導
・学校給食衛生管理等研修
・国の委託事業指定地域の指導
・学校給食優良学校の表彰
b. 鹿児島をまるごと味わう学校給食
c. 栄養教諭の配置
d. 家庭や地域へ望ましい食習慣に関する知識の普及、情報の提供
体力・運動能力の向上(保健体育課、義務教育課)
仲間や自然とかかわる活動を推進し、基礎的な体力の向上、協調性や冒険心、粘り強さなどを培い、心豊かでたくましい身体をもった児童生徒の育成に努める。また運動部活動の指導者養成、中・高校生の競技力向上を図るため、優れた指導者を派遣し、地域スポーツ人材を活用する。
主な取り組み
a. 「たくましい鹿児島っ子」育成推進(新)
心豊かでたくましい体を持った児童生徒育成のための学校・家庭・地域が連携した取り組みを推進
・体力向上推進委員会設置
・推進校の指定
・「チャレンジ鹿児島」の精神
・体力向上推進フォーラムの開催
b. 地域スポーツ人材の活用実践支援事業
・小・中学校の授業、中・高等学校の運動部活動への外部指導者派遣
・地域スポーツ人材活用推進委員会の設置
c. 運動部活動競技力向上支援事業
・中、高等学校運動部活動指導者の支援
d. 中学校武道等地域連携推進事業
・地域連携推進協力者会議の開催
・地域連携実践校における実践
・中学校武道、ダンス指導者研修会の開催
e. 県総合教育センター研修
健康教育の充実(保健体育課、義務教育課)
多様化する健康問題に対応し、児童生徒が健康増進に必要な知識、能力、態度を身につけることにより、生涯にわたって健康に過ごすことができるように努める。
主な取り組み
a. 学校保健推進授業
・学校保健優良学校表彰
・学校保健委員会、学校医、学校歯科医、学校薬剤師との連携による学校保健指導
b. 県総合教育センター研修
重点施策の概要
I 規範意識を養い、豊かな心と健やかな体をはぐくむ教育の推進
道徳教育の充実(義務教育課、高校教育課、社会教育課)
「人間尊重の精神」「生命に対する畏敬の念」などに加え、「伝統と文化の尊重」、「我が国と郷土への愛と、他国への尊重」、「公共の精神」についての取り組みを推進します。
児童生徒の実態と、発達段階に応じた教育活動全体での道徳教育の充実を図り、教職員の指導力向上、家庭・地域・企業との連携を強め、児童生徒の道徳性を高める高める取り組みを社会全体で進める。
主な取り組み、以下新しい試みは(新)とする
a. 道徳教育総合支援事業(新)
・心の教育支援会議
・郷土教育読み物教材の活用
・「心のノート」の活用
b. 郷土教育読み物教材の開発
c. 初任者研修事業
d. 現職職員等研修事業
・教職経験者研修(5年経験者、10年経験者)
e. 県総合教育センター研修(短期)
・道徳など
f. みんなで支える家庭教育推進(新)
・家庭教育相談員の養成研修
・家庭教育学級への支援及び企業の理解促進
g. 青少年の自然体験活動
生徒指導の充実(義務教育課、高校教育課、社会教育課)
「いじめは許されない」という絶対の認識の下に、すべての児童生徒が「学校はいじめ問題に対して真剣に考え、わたしたちを守ってくれる」ということを実感できるようにする。いじめについての授業をするとともに、不登校や問題行動に対する教育相談・支援体制の整備を行ない、学校・家庭・地域社会で一丸となって、いじめ問題解決に取り組む。
主な取り組み
a. スクールカウンセラーの配置
b. スクールソーシャルワーカー活用(新)
c. いじめ問題等相談員派遣
d. 子どものサポート体制整備
e. かごしま教育ホットライン24
f. 家庭用「いじめ対策リーフレット」配布
g. 「いじめ問題を考える週間」の取り組み
h. 心をひらく生徒指導力向上事業
i. 高校不登校生等対策
j. みんなで支える家庭教育推進(新)、上記「道徳指導の充実」に同じ
人権教育の充実(人権同和教育課、社会教育課)
学校・家庭・地域等において同和教育をはじめとする人権教育の充実を図る。
主な取り組み
a. 人権教育研修
b. 人権教育推進
c. 人権教育開発(新)
d. 人権教育啓発
子ども読書活動の推進(社会教育課、義務教育課、高校教育課)
「鹿児島県子ども読書活動推進計画」に基づき、子どもの読書を推進する社会的気運の醸成、「子ども読書の日(4/23)」を中心とした取り組み、児童生徒の読書習慣確立を目指した「朝読書」の促進など、社会全体で取り組む。
主な取り組み
a. 読書活動推進員養成講座
・読書活動に関する理解・技能のスキルアップ
b. 「子どもの読書活動推進」支援事業
・図書館、学校等への講師派遣
食育の推進(保健体育課、義務教育課、高校教育課、社会教育課、学校施設課、教職員課)
「かごしまの食推進交流計画」に沿って、学校・家庭・地域が連携して、食に関する自己管理能力の育成するための取り組みを推進する。
主な取り組み
a. 学校給食指導
・学校給食衛生管理等研修
・国の委託事業指定地域の指導
・学校給食優良学校の表彰
b. 鹿児島をまるごと味わう学校給食
c. 栄養教諭の配置
d. 家庭や地域へ望ましい食習慣に関する知識の普及、情報の提供
体力・運動能力の向上(保健体育課、義務教育課)
仲間や自然とかかわる活動を推進し、基礎的な体力の向上、協調性や冒険心、粘り強さなどを培い、心豊かでたくましい身体をもった児童生徒の育成に努める。また運動部活動の指導者養成、中・高校生の競技力向上を図るため、優れた指導者を派遣し、地域スポーツ人材を活用する。
主な取り組み
a. 「たくましい鹿児島っ子」育成推進(新)
心豊かでたくましい体を持った児童生徒育成のための学校・家庭・地域が連携した取り組みを推進
・体力向上推進委員会設置
・推進校の指定
・「チャレンジ鹿児島」の精神
・体力向上推進フォーラムの開催
b. 地域スポーツ人材の活用実践支援事業
・小・中学校の授業、中・高等学校の運動部活動への外部指導者派遣
・地域スポーツ人材活用推進委員会の設置
c. 運動部活動競技力向上支援事業
・中、高等学校運動部活動指導者の支援
d. 中学校武道等地域連携推進事業
・地域連携推進協力者会議の開催
・地域連携実践校における実践
・中学校武道、ダンス指導者研修会の開催
e. 県総合教育センター研修
健康教育の充実(保健体育課、義務教育課)
多様化する健康問題に対応し、児童生徒が健康増進に必要な知識、能力、態度を身につけることにより、生涯にわたって健康に過ごすことができるように努める。
主な取り組み
a. 学校保健推進授業
・学校保健優良学校表彰
・学校保健委員会、学校医、学校歯科医、学校薬剤師との連携による学校保健指導
b. 県総合教育センター研修
2011年7月5日火曜日
教育時事の重要事項のまとめ
今日は『2012年度版鹿児島県の教職教養』のある項目をまとめます。
少し長いですが、挑戦。
1 教育課程(カリキュラム)の改革
「幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善について」
1-1 「生きる力」という理念の共有
「生きる力」という目標を関係者で共有するにあたっては、特に次の3点を重視する。
第一は、変化が激しく、未知の課題に試行錯誤しながらも対応することが求められる複雑で難しい時代を担う子どもたちにとって、将来の職業や生活を重視して、社会において自立的に生きるための力が「生きる力」だということ。
<中略>
第二は、我が国の子どもたちの課題ともなっている思考力・判断力・表現力等をはぐくむには、各教科において基礎的・基本的な知識・技能をしっかりと習得させるとともに、観察・実験やレポートの作成、論述といった知識・技能を活用する学習活動を行なうこと。
<中略>
第三は、自分に自信がもてず、自らの将来や人間関係に不安を抱えているといった子どもたちの現状を踏まえると、コミュニケーションや感性・情緒、知識活動の基盤である国語をはじめとした言語の能力の重視を図ること。また加えて体験活動の充実を図ることにより、他者・社会、自然・環境との関わりの中で、生きる自分に自信を持たせることが必要である。
1-2 小学校段階の外国語活動
小学校段階にふさわしい国際理解やコミュニケーション等活動を通じて、コミュニケーションへの積極的な態度を育成するとともに、言葉への自覚を促し、幅広い言語に関する能力や国際感覚の基盤を培うことを目的とするのが、小学校段階の外国語活動である。
現在、この活動については各学校で取り組みへの相当なばらつきがある。教育の機会均等や中学校への円滑な接続という観点から、国として各学校に共通の指導内容を示すことが必要になる。そこで総合的な時間とは別にして、高学年において年間35単位時間、週1コマ相当の一定時間を確保することとする。
2 学力向上
まずPISAとTIMSSとは何であるかおさらいする。
PISA (Programme for International Student Assessment)
OECDが行なっている国際的な生徒の学習到達度調査
TIMSS (Trends in International Mathematics and Science Study)
IEA(国際教育到達度評価学会)が行なっている国際数学・理科教育動向調査
「平成21年度 文部科学白書 (第2部、第2章)」
2-1 平成20年度調査の結果
・教科に関する調査結果
全体としてみれば、19年度よりもやや難しい内容であったため、各教科の正答率は低い。しかし、小学校・中学校調査において、過去との同一問題の正答率が高いという点を考慮すると、昨年度より学力が低下しているとは思えない。
(i)知識に関する問題の結果
小学校の国語A、中学校の数学Aにおいて、一部課題あり。
また、小学校の算数A、中学校の国語Aに関しては、基礎・基本となる知識・技能をさらに身につけさせることが必要である。
(ii)活用に関する問題の結果
小・中学校の国語A、算数・数学Bに関しては、知識・技能を活用する力に課題あり。
・児童生徒質問紙の結果
算数・数学が好きな小中学生の割合は増加傾向にある。国語の勉強が好きな小学生、一日30分以上読書する小学生の割合はやや減少。学習に対する関心・意欲・態度、学習時間・読書、基本的生活習慣、自尊意識・規範意識などについて肯定的な回答をした小中学生ほど、正答率が高い傾向にある。
また携帯電話やメールをほぼ毎日している小学生の割合はやや増加している。
・学校質問紙調査の結果
(生徒たちが)熱意をもって勉強している、授業中の私語が少なく落ち着いている、考えを引き出したり思考を深めたりする指導をしている、学習規律の維持を徹底しているといった回答をしている学校の生徒の正答率の方が高い傾向にある。
また小学校の約97%、中学校の約95%が19年度調査の結果を活用している。
・TIMSS 2007
今回の調査での我が国の児童生徒の平均得点は、統計上の誤差を含め前回2003年調査と同程度であるが、小中学校の算数・数学、理科において前回以上の得点となっている。順位も、参加国が増える中、国際的に上位を維持している。これらのことから、前回指摘された学力低下には歯止めがかかったと思われる。
その一方で、「勉強は楽しいと思う」子どもの割合が特に中学校で低いこと、「テレビやビデオを見る」時間は長く、「家の手伝いをする」時間が短いなど、学ぶ意欲や学習習慣に関しては、依然として課題が残る。
3 心の育成、問題行動への対応
「学校における携帯電話の取り扱いについて」
3-1 小学校及び中学校
・携帯電話は、学校での教育活動に直接必要なものではないので、小中学校においては、児童生徒の携帯電話の持ち込みについては、原則禁止である。
・緊急の連絡手段など、やむを得ない事情も想定され、保護者から学校長に対し、携帯電話の持ち込み許可を申請することも考えられる。このような場合、校内での使用禁止、登校後学校側が預かり下校前に返却するなど、学校の教育活動に支障のないように配慮する。
3-2 高等学校
・携帯電話は、学校の教育活動に直接関係のあるものではない。よって授業中の携帯電話の使用を禁止したり、学校内での携帯電話使用は一律禁止などの制限をするべきである。
・そもそも持ちこみを禁止することも考えられる。
4 心の育成、問題行動への対応
「問題行動を起こす児童生徒に対する指導について」
・生徒指導の充実について
・学校の日常的な生活において、児童生徒の一人一人を把握、性向について理解を深め、信頼関係を築き、すべての教育活動を通じてきめ細やかな指導を行なう。全教職員が一丸となり、積極的に教育相談やカウンセリングを行なう。
・校内において傷害事件などの犯罪が起こる可能性のある際には、警察の協力も得る。
・懲戒、体罰について
・教員は、必要があると思われる際は児童生徒に懲戒を与えることができ、その懲戒を通じて児童生徒の規範意識の育成を期待する。ただし懲戒が安易な判断によって行なわれることのないようにする。また日頃からの信頼関係づくりも重要である。
・体罰であるかないか機械的な判断は難しく、場合によっては指導へ対して萎縮してしまうこともある。ただし教員はいかなる場合においても、身体に対する侵害、肉体的苦痛を与える懲戒である体罰を行なってはならない。体罰による正常な倫理観育成は期待できず、むしろ児童生徒の力による解決の志向を助長し、いじめ・暴力行為などの土壌を生む可能性があるからである。
5 学校評価
「学校評価のあり方と今後の推進方策について」
学校評価には次の3つの実施手法がある。
自己評価
目的:学校の教職員が設定した自らの達成状況や達成に向けた取り組み状況などを評価する。これにより、学校の現状と課題把握、今後の改善に活用することを目的とした、学校評価の最も基本的かつ重要なものである。
手法:校長の下、予め設定した具体的かつ明確な目標に全教職員が参加し、達成状況の確認や取り組みの適切さを評価する。
学校関係者評価(外部評価)
目的:学校の教職員以外で学校と密接な関係にある者が、上記自己評価の結果を評価することを通じて、学校と保護者で課題について共通理解を持ち、改善を目指していくもの。
手法:外部評価者に構成された委員会が、学校の教育活動の観察や意見交換を通じて評価する。
第三者評価
目的:学校と直接かかわりを持たない、大学や教育機関の職員、有識者からの評価を行うことで、自己評価・学校関係者評価では不足する部分を補い、学校運営の改善を促すことを目的とする。
手法:自己評価・学校関係者評価の結果等を資料として活用し、専門的・客観的立場から評価を行なう。
6 教員の専門性の向上
「今後の教員養成、免許制度のあり方について」
・教員に求められる資質能力
・いつの時代にも求められる資質能力
教育者としての使命感、人間の成長・発達についての理解、幼児・児童・生徒に対する 教育的愛情、教科の専門知識、広い教養、そしてこれらを基盤とした実践的指導力。
・今後特に求められる資質能力
地球的視野に立った行動、変化の時代を生き抜く社会人としての能力、教員の職務から 求められる能力。
・得意分野を持つ個性豊かな教員
画一的な教員像を求めることは避け、生涯にわたり資質能力の向上を図るという前提のもと、全教員に求められる能力を確保し、積極的に得意分野づくりや個性の伸長を図ることが大切である。
7 キャリア教育の推進
「小・中・高等学校 キャリア教育推進の手引き 児童生徒一人一人の勤労観、職業観を育てるために」
7-1 キャリア発達とは
発達は生涯にわたる変化の過程で、人が環境に適応する能力を獲得していく過程である。その中でキャリア発達とは、自己の知的、身体的、情緒的、社会的な特徴を一人一人の生き方として統合していく過程である。
具体的には過去・現在・未来の自分を考え、社会の中で果たす役割や生き方を展望し、実現すること。
<中略>
一人一人のキャリア発達は知的・社会的発達とともに促される。そのため、まず一人一人の資質能力や態度は、段階を追って育成されるということを知っておかなければならない。児童生徒が将来必要としている資質能力や態度は、次の四つの能力とされている。それらは「人間関係形成能力」、「情報活用能力」、「意思決定能力、「将来設計能力」の四つのことで、児童生徒が成長の各時期において身につけることを期待されている能力、態度である。
7-2 キャリア教育の推進
学校の教育活動全体での取り組み
キャリア発達には、児童生徒のすべての教育活動が影響するため、キャリア教育は、学校すべての教育活動を通して推進されなければならない。これまでの進路指導中心の学校の取り組みでは、発達課題の達成に関する意識や観点が薄く、実践を通した指導方法の蓄積が少なかったりしたことなどから、取り組みの脈絡や関連性が乏しかった。その結果活動を寄せ集めたにすぎず、生徒の資質能力や態度の向上に結びついていなかった。こうした課題を克服するためには、教育課程の改善が不可欠である。
例えば、各教科、道徳、特別活動、総合的な学習の時間などの取り組みが、児童生徒のキャリア発達のために有機的に関連づけられているだろうか。また、具体的に活動計画が立てられ、全体で体系的な取り組みができているかどうか。あるいは、高等学校の各学科の類型やコースが、各学校の生徒のニーズに応じたものになっているか、など各学校で点検し見直す事柄もあると考えられる。
8 特別支援教育の進展
「特別支援教育を推進するための制度の在り方について」
8-1 特別支援教育の理念と基本的な考え方
これまでの「特殊教育」では、障害の種類や程度に応じて盲・聾・養護学校や特殊学級といった特別な場で、手厚くきめ細かい指導や教育を行なうことに重点を置いてきた。
「特別支援教育」とは、障害のある幼児児童生徒が自立し、社会参加できるように主体的な取り組みをする支援である。また現在、小・中学校において通常の学級に所属するLD・ADHD・高機能自閉症等の児童生徒への指導と対応が緊急の課題となっており、「特別支援教育」においては、このような児童生徒に対しても適切な指導と支援を行なう。
<中略>
このことは、従来の特殊教育が果たしてきた役割・実績というものを否定するのではなく、継承・発展させていこうというものである。
8-2 特別支援教育に関する法改正
学校教育法施行規則
第140条
小学校若しくは中学校又は中等教育学校の前期課程において、次のいずれかに該当する児童生徒で特別の措置が必要のある者を教育する際、特別の教育課程を講ずることができる。
一 言語障害者 二 自閉症者 三 情緒障害者 四 弱視者 五 難聴者 六 学習障害者
七 注意欠陥多動性障害者 八 その他の障害がある者で、特別の教育課程を必要とするもの
学校教育法
第72条
特別支援学校は、幼稚園、小学校、中学校または高等学校に準ずる教育を施すとともに、障害による学習上または生活上の困難を克服し、自立を図るために必要な知識技能を授けることを目的とする。
第81条
小学校、中学校、高等学校及び中等教育においては、次のいずれかに該当する児童及び生徒のために、特別支援学級を置くことができる。
一 知的障害者 二 肢体不自由者 三 身体虚弱 四 弱視者 五 難聴者
六 その他の障害のある者で、特別支援学級において教育を行なうのが適当なもの
・参考
学習障害(LD) Learning Disability
学習障害は、基本的には全般的な知的発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算するまたは推論する能力のうち、特定のものの習得と使用に著しい困難を示す。
注意欠陥多動性障害(ADHD) Attention-Deficit Hyperactivity Disorder
ADHDとは、年齢あるいは発達に不釣り合いな注意力、及び衝動性、多動性を特徴とする行動の障害で、社会的活動や学業の機能に支障をきたす。
高機能自閉症
高機能自閉症は、3歳くらいまでに現れ、他人との社会的関係の形成に困難を持ち、言葉の発達の遅れ、興味・関心が狭く特定のものへのこだわりなどを特徴とする行動の障害である自閉症である。しかし知的発達の遅れを伴わないものをいう。
アスペルガー症候群は、知的発達の遅れを伴わず、かつ自閉症の特徴のうち、言葉の発達の遅れを伴わないものである。
少し長いですが、挑戦。
1 教育課程(カリキュラム)の改革
「幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善について」
1-1 「生きる力」という理念の共有
「生きる力」という目標を関係者で共有するにあたっては、特に次の3点を重視する。
第一は、変化が激しく、未知の課題に試行錯誤しながらも対応することが求められる複雑で難しい時代を担う子どもたちにとって、将来の職業や生活を重視して、社会において自立的に生きるための力が「生きる力」だということ。
<中略>
第二は、我が国の子どもたちの課題ともなっている思考力・判断力・表現力等をはぐくむには、各教科において基礎的・基本的な知識・技能をしっかりと習得させるとともに、観察・実験やレポートの作成、論述といった知識・技能を活用する学習活動を行なうこと。
<中略>
第三は、自分に自信がもてず、自らの将来や人間関係に不安を抱えているといった子どもたちの現状を踏まえると、コミュニケーションや感性・情緒、知識活動の基盤である国語をはじめとした言語の能力の重視を図ること。また加えて体験活動の充実を図ることにより、他者・社会、自然・環境との関わりの中で、生きる自分に自信を持たせることが必要である。
1-2 小学校段階の外国語活動
小学校段階にふさわしい国際理解やコミュニケーション等活動を通じて、コミュニケーションへの積極的な態度を育成するとともに、言葉への自覚を促し、幅広い言語に関する能力や国際感覚の基盤を培うことを目的とするのが、小学校段階の外国語活動である。
現在、この活動については各学校で取り組みへの相当なばらつきがある。教育の機会均等や中学校への円滑な接続という観点から、国として各学校に共通の指導内容を示すことが必要になる。そこで総合的な時間とは別にして、高学年において年間35単位時間、週1コマ相当の一定時間を確保することとする。
2 学力向上
まずPISAとTIMSSとは何であるかおさらいする。
PISA (Programme for International Student Assessment)
OECDが行なっている国際的な生徒の学習到達度調査
TIMSS (Trends in International Mathematics and Science Study)
IEA(国際教育到達度評価学会)が行なっている国際数学・理科教育動向調査
「平成21年度 文部科学白書 (第2部、第2章)」
2-1 平成20年度調査の結果
・教科に関する調査結果
全体としてみれば、19年度よりもやや難しい内容であったため、各教科の正答率は低い。しかし、小学校・中学校調査において、過去との同一問題の正答率が高いという点を考慮すると、昨年度より学力が低下しているとは思えない。
(i)知識に関する問題の結果
小学校の国語A、中学校の数学Aにおいて、一部課題あり。
また、小学校の算数A、中学校の国語Aに関しては、基礎・基本となる知識・技能をさらに身につけさせることが必要である。
(ii)活用に関する問題の結果
小・中学校の国語A、算数・数学Bに関しては、知識・技能を活用する力に課題あり。
・児童生徒質問紙の結果
算数・数学が好きな小中学生の割合は増加傾向にある。国語の勉強が好きな小学生、一日30分以上読書する小学生の割合はやや減少。学習に対する関心・意欲・態度、学習時間・読書、基本的生活習慣、自尊意識・規範意識などについて肯定的な回答をした小中学生ほど、正答率が高い傾向にある。
また携帯電話やメールをほぼ毎日している小学生の割合はやや増加している。
・学校質問紙調査の結果
(生徒たちが)熱意をもって勉強している、授業中の私語が少なく落ち着いている、考えを引き出したり思考を深めたりする指導をしている、学習規律の維持を徹底しているといった回答をしている学校の生徒の正答率の方が高い傾向にある。
また小学校の約97%、中学校の約95%が19年度調査の結果を活用している。
・TIMSS 2007
今回の調査での我が国の児童生徒の平均得点は、統計上の誤差を含め前回2003年調査と同程度であるが、小中学校の算数・数学、理科において前回以上の得点となっている。順位も、参加国が増える中、国際的に上位を維持している。これらのことから、前回指摘された学力低下には歯止めがかかったと思われる。
その一方で、「勉強は楽しいと思う」子どもの割合が特に中学校で低いこと、「テレビやビデオを見る」時間は長く、「家の手伝いをする」時間が短いなど、学ぶ意欲や学習習慣に関しては、依然として課題が残る。
3 心の育成、問題行動への対応
「学校における携帯電話の取り扱いについて」
3-1 小学校及び中学校
・携帯電話は、学校での教育活動に直接必要なものではないので、小中学校においては、児童生徒の携帯電話の持ち込みについては、原則禁止である。
・緊急の連絡手段など、やむを得ない事情も想定され、保護者から学校長に対し、携帯電話の持ち込み許可を申請することも考えられる。このような場合、校内での使用禁止、登校後学校側が預かり下校前に返却するなど、学校の教育活動に支障のないように配慮する。
3-2 高等学校
・携帯電話は、学校の教育活動に直接関係のあるものではない。よって授業中の携帯電話の使用を禁止したり、学校内での携帯電話使用は一律禁止などの制限をするべきである。
・そもそも持ちこみを禁止することも考えられる。
4 心の育成、問題行動への対応
「問題行動を起こす児童生徒に対する指導について」
・生徒指導の充実について
・学校の日常的な生活において、児童生徒の一人一人を把握、性向について理解を深め、信頼関係を築き、すべての教育活動を通じてきめ細やかな指導を行なう。全教職員が一丸となり、積極的に教育相談やカウンセリングを行なう。
・校内において傷害事件などの犯罪が起こる可能性のある際には、警察の協力も得る。
・懲戒、体罰について
・教員は、必要があると思われる際は児童生徒に懲戒を与えることができ、その懲戒を通じて児童生徒の規範意識の育成を期待する。ただし懲戒が安易な判断によって行なわれることのないようにする。また日頃からの信頼関係づくりも重要である。
・体罰であるかないか機械的な判断は難しく、場合によっては指導へ対して萎縮してしまうこともある。ただし教員はいかなる場合においても、身体に対する侵害、肉体的苦痛を与える懲戒である体罰を行なってはならない。体罰による正常な倫理観育成は期待できず、むしろ児童生徒の力による解決の志向を助長し、いじめ・暴力行為などの土壌を生む可能性があるからである。
5 学校評価
「学校評価のあり方と今後の推進方策について」
学校評価には次の3つの実施手法がある。
自己評価
目的:学校の教職員が設定した自らの達成状況や達成に向けた取り組み状況などを評価する。これにより、学校の現状と課題把握、今後の改善に活用することを目的とした、学校評価の最も基本的かつ重要なものである。
手法:校長の下、予め設定した具体的かつ明確な目標に全教職員が参加し、達成状況の確認や取り組みの適切さを評価する。
学校関係者評価(外部評価)
目的:学校の教職員以外で学校と密接な関係にある者が、上記自己評価の結果を評価することを通じて、学校と保護者で課題について共通理解を持ち、改善を目指していくもの。
手法:外部評価者に構成された委員会が、学校の教育活動の観察や意見交換を通じて評価する。
第三者評価
目的:学校と直接かかわりを持たない、大学や教育機関の職員、有識者からの評価を行うことで、自己評価・学校関係者評価では不足する部分を補い、学校運営の改善を促すことを目的とする。
手法:自己評価・学校関係者評価の結果等を資料として活用し、専門的・客観的立場から評価を行なう。
6 教員の専門性の向上
「今後の教員養成、免許制度のあり方について」
・教員に求められる資質能力
・いつの時代にも求められる資質能力
教育者としての使命感、人間の成長・発達についての理解、幼児・児童・生徒に対する 教育的愛情、教科の専門知識、広い教養、そしてこれらを基盤とした実践的指導力。
・今後特に求められる資質能力
地球的視野に立った行動、変化の時代を生き抜く社会人としての能力、教員の職務から 求められる能力。
・得意分野を持つ個性豊かな教員
画一的な教員像を求めることは避け、生涯にわたり資質能力の向上を図るという前提のもと、全教員に求められる能力を確保し、積極的に得意分野づくりや個性の伸長を図ることが大切である。
7 キャリア教育の推進
「小・中・高等学校 キャリア教育推進の手引き 児童生徒一人一人の勤労観、職業観を育てるために」
7-1 キャリア発達とは
発達は生涯にわたる変化の過程で、人が環境に適応する能力を獲得していく過程である。その中でキャリア発達とは、自己の知的、身体的、情緒的、社会的な特徴を一人一人の生き方として統合していく過程である。
具体的には過去・現在・未来の自分を考え、社会の中で果たす役割や生き方を展望し、実現すること。
<中略>
一人一人のキャリア発達は知的・社会的発達とともに促される。そのため、まず一人一人の資質能力や態度は、段階を追って育成されるということを知っておかなければならない。児童生徒が将来必要としている資質能力や態度は、次の四つの能力とされている。それらは「人間関係形成能力」、「情報活用能力」、「意思決定能力、「将来設計能力」の四つのことで、児童生徒が成長の各時期において身につけることを期待されている能力、態度である。
7-2 キャリア教育の推進
学校の教育活動全体での取り組み
キャリア発達には、児童生徒のすべての教育活動が影響するため、キャリア教育は、学校すべての教育活動を通して推進されなければならない。これまでの進路指導中心の学校の取り組みでは、発達課題の達成に関する意識や観点が薄く、実践を通した指導方法の蓄積が少なかったりしたことなどから、取り組みの脈絡や関連性が乏しかった。その結果活動を寄せ集めたにすぎず、生徒の資質能力や態度の向上に結びついていなかった。こうした課題を克服するためには、教育課程の改善が不可欠である。
例えば、各教科、道徳、特別活動、総合的な学習の時間などの取り組みが、児童生徒のキャリア発達のために有機的に関連づけられているだろうか。また、具体的に活動計画が立てられ、全体で体系的な取り組みができているかどうか。あるいは、高等学校の各学科の類型やコースが、各学校の生徒のニーズに応じたものになっているか、など各学校で点検し見直す事柄もあると考えられる。
8 特別支援教育の進展
「特別支援教育を推進するための制度の在り方について」
8-1 特別支援教育の理念と基本的な考え方
これまでの「特殊教育」では、障害の種類や程度に応じて盲・聾・養護学校や特殊学級といった特別な場で、手厚くきめ細かい指導や教育を行なうことに重点を置いてきた。
「特別支援教育」とは、障害のある幼児児童生徒が自立し、社会参加できるように主体的な取り組みをする支援である。また現在、小・中学校において通常の学級に所属するLD・ADHD・高機能自閉症等の児童生徒への指導と対応が緊急の課題となっており、「特別支援教育」においては、このような児童生徒に対しても適切な指導と支援を行なう。
<中略>
このことは、従来の特殊教育が果たしてきた役割・実績というものを否定するのではなく、継承・発展させていこうというものである。
8-2 特別支援教育に関する法改正
学校教育法施行規則
第140条
小学校若しくは中学校又は中等教育学校の前期課程において、次のいずれかに該当する児童生徒で特別の措置が必要のある者を教育する際、特別の教育課程を講ずることができる。
一 言語障害者 二 自閉症者 三 情緒障害者 四 弱視者 五 難聴者 六 学習障害者
七 注意欠陥多動性障害者 八 その他の障害がある者で、特別の教育課程を必要とするもの
学校教育法
第72条
特別支援学校は、幼稚園、小学校、中学校または高等学校に準ずる教育を施すとともに、障害による学習上または生活上の困難を克服し、自立を図るために必要な知識技能を授けることを目的とする。
第81条
小学校、中学校、高等学校及び中等教育においては、次のいずれかに該当する児童及び生徒のために、特別支援学級を置くことができる。
一 知的障害者 二 肢体不自由者 三 身体虚弱 四 弱視者 五 難聴者
六 その他の障害のある者で、特別支援学級において教育を行なうのが適当なもの
・参考
学習障害(LD) Learning Disability
学習障害は、基本的には全般的な知的発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算するまたは推論する能力のうち、特定のものの習得と使用に著しい困難を示す。
注意欠陥多動性障害(ADHD) Attention-Deficit Hyperactivity Disorder
ADHDとは、年齢あるいは発達に不釣り合いな注意力、及び衝動性、多動性を特徴とする行動の障害で、社会的活動や学業の機能に支障をきたす。
高機能自閉症
高機能自閉症は、3歳くらいまでに現れ、他人との社会的関係の形成に困難を持ち、言葉の発達の遅れ、興味・関心が狭く特定のものへのこだわりなどを特徴とする行動の障害である自閉症である。しかし知的発達の遅れを伴わないものをいう。
アスペルガー症候群は、知的発達の遅れを伴わず、かつ自閉症の特徴のうち、言葉の発達の遅れを伴わないものである。
2011年7月2日土曜日
110701 夕学講座 田口佳史: 見えないものを見る 東洋思想から読み解く日本文化と日本人
近代わたしたちの生活はとても便利になりました。また日本の生活は活気あふれるものであるとも言えるでしょう。都市部に行けば娯楽施設がありますし、大きいショッピングモールが軒を連ねているので、欲しいと思うものが何でも揃うでしょう。都市部から遠くに住んでいる人々も、車や電車などの交通手段がありますし、インターネットを使えば家から買い物もできてしまいます。このようにわたしたちの生活は飛躍的に便利なものとなりました。
しかし、講演者の田口佳史さんは、現代の日本の生活はかつてのものとは様相が異なると言いました。どのように変わってしまったのでしょうか。
わたしたち日本人の生活の端々には自然や生命があふれていました。辛いことはありながらも、清く美しい流れの中で生きてきました。日本はかつて日本に親交のあった外国人からこう言われていたそうです。「日本ほど貧しい国はない。しかし同時に日本ほど美しい国もない。この国は貧しいながらも、常に洗い清められている。貧しさを超越し、何かを持っている」と。
そんな環境で生きてきた日本人は、現代では金銭物質主義とも言えるような流れの中で生活しています。今こそわたしたちは、自分たちのルーツから生活を見直し、これからどう生きていくか考えなくてはならないのではないでしょうか。内なる日本人の特質について知り、日本の生活を見直すのです。
まず大きな特徴として地理的環境があるでしょう。日本は森林山岳国家でありながら、海洋国家・島国という特性を持っています。その中でも、わたしたちの生活に大きな影響を与えたのは、日本が森林に覆われ、深い山・森の中で暮らした「山・森の民」であるということでしょう。森林には生命の根源である水が溢れています。日本が「粗い清められてた国」というのは、その森林が生み出した水で穢れを洗い落としたからでしょう。森と山は自然の力でいっぱいなのです。
それは日本人の神の発見につながりました。人々の暮らしは恵みをもたらされたり、反対に災いの力に襲われたりしてきたのです。その大いなる力の中に日本人は、自然の偉大な力を感じてきました。それが神の発見。生活に直結した神の存在は、強い信仰心を日本人の中に芽生えさせました。それは真の信仰心、心の底からの信仰心であったのでしょう。今でも古い社などを訪ね、「ご神体は何でしょうか?」と問えば、山や森などの自然を指すのだそうです。わたしたちは自然の中に神の存在を感じてきたのです。そんなことを経験してきた田口さんはこう言います。「わたしが外国人に日本人の特徴、国民性は何だと聞かれたならば、こう答えることにしています。鋭い感性と深い精神性である、と。」自然に神を感じるという感性、それを真に信仰した精神。それが日本人の特性だ、と言われるとわたしは自分が日本人であるのを誇りに感じずにはいられません。
歴史を学べばわかる通り、ギリシャやインドにも神という存在はあります。そしてそれは「像」という形に表されています。しかし日本の自然の神には像というものがありません。それは日本人が自然と共生してきたから、自らが信ずる神たちと共生してきたからだ、と田口さんは語ります。
もう一つの地理的特徴を上げるならば、ユーラシア大陸の東端、極東に位置するということです。西から新しいものが伝来してくる中、日本より東には流れることはありませんでした。太平洋によって隔てられていたからです。日本には流れてきたものが溜まりました。そこで何が起こるか、文化が熟成するのです。仏教や禅も、日本で昇華させられたものでしょう。そして中国から流れてきた老荘思想。これも日本で昇華したものです。地理的特徴はここまでです。
ここで老荘思想の成熟について見てみましょう。
老荘思想の考え方の中心にあるのは「道」という概念です。道というものは見えないものです。その見えない様子から、「無」であるとも言えます。「無」こそ自然の姿なのだということ。この場合の自然は先ほどまでとは違い、natureではありません。「自ずと然り」なものだと田口さんは言います。禅、仏教もこのことと関わりがあります。禅や仏教の世界では、心で心に伝えるのだそうです。それら心は文字にしてしまうことで、成り立たなくなります。「無」の状態そして何も描かない・書かないことで、多くを語る・伝えるという点では、「道」も禅、仏教も同じだということです。
日本の地理的特徴は考えました。老荘思想の成熟についても見てみました。それでは日本人の生き方や生活が完成する過程はどうだったのでしょうか。
日本人の生き方が完成するのに貢献した人物がいます。それは藤原定家、世阿弥、千利休、松尾芭蕉の4人です。それぞれがどう貢献したのか、見ていきましょう。
定家は「見渡せば 花ももみじもなかりけり 浦の苫屋の秋の夕暮れ」という歌を詠みました。花ももみじもないと言っている部分から、想像上の色鮮やかな情景を想起させます。
世阿弥は見えない世界を扱うことで貢献しました。この世のものとは思われぬ、霊の世界を見せ、それを体験させたことで人々の心を動かしたのです。それは夢幻能とも言われました。見えないものや形ないものの中に何かを感じるという気質は世阿弥が残したものなのかもしれません。
利休の世界は様式美です。ほんの一杯の茶、すぐに飲み終えることのできる茶ですが、それを時間をかけて味わうということ。そして彼は茶室の部屋を狭くとったそうです。その部屋は四畳から二畳半へと狭まりました。田口さんも利休の茶室を訪ねたことがあるらしいですが、それは思ったよりも広くて美しいものだったそうです。
そして最後に芭蕉ですね。彼はすべての文字を一度捨てさった上で、文字を取り出し、その文字によって独特の世界観を創り、わたしたちに示したのだそうです。そして彼は文字を捨てたように、すべてを捨て旅に出ます。その後彼は紀行文学と呼ばれる分野を樹立したのです。しかし彼はそのような分野の樹立を意図していたわけではありませんでした。彼は旅を住みかとしたのです。それが彼には自然な流れ、自ずからあって然るべき道だったのかもしれません。
それではわたしたちは昔のような生活に戻らなくてはならないのでしょうか。いいえ、それは違います。田中さんは今回の講演の終わりをそのようには締めませんでした。答えは「東洋と西洋の知の融合」を目指すということでした。原理・原則、つまりプリンシプルに優れているのは東洋、そして技術、つまりスキルは西洋が優れています。これを融合させることで、見方が変わる。それを講演の終わりとしたのです。
しかし融合させるのは簡単なことではありません。考えてみれば異質なもの同士ですから、当たり前なのかもしれません。そこで自分のルーツ、日本や東洋思想をたどることが重要なのです。東洋の生き方を知り、その精神を学んでから、西洋思想へとアプローチしてみる。それで西洋思想は、以前とは違って見えるのだそうです。
そして東洋思想を学び、自己を確立することをアドバイスとして述べてくださいました。東洋人であること(東洋人としてのアイデンティティ)の確認と自覚をできれば、自分の基盤が安定します。その基盤の上に「大局観」を身につけることの大切さを説いてくださいました。大局観とは、すなわち根源的、歴史的・長期的、そして多様的観点のことです。物事を縦に深く掘り起こし、その根源を知ること。そして横に時間をたどり見ることで、その流れを知るのです。それができれば多様的に物事を捉えることはできるようになっていると。その大局観は人の一生の財産になるのです。
大局観を身につけるには、この縦に見ることと横に見ることの繰り返しと訓練しかないです。田口先生が述べたのは、まず縦に見る力を訓練し、鍛え、人にその点を認めてもらえるようになったら、縦はクリア。次は横。横に見ることをひたすら練習し、人がその点を認めてくれたならば、大局観は身についているとおっしゃりました。
自分のルーツ、東洋を見つめ直すということ。その果てにある、西洋との融合と大局観にたどり着くこと。またわたしに喜ばしい課題と目標が増えました。
慶應MCC「夕学五十講」が運営する参考ページ http://www.keiomcc.net/sekigaku-blog/2011/07/post_448.html
しかし、講演者の田口佳史さんは、現代の日本の生活はかつてのものとは様相が異なると言いました。どのように変わってしまったのでしょうか。
わたしたち日本人の生活の端々には自然や生命があふれていました。辛いことはありながらも、清く美しい流れの中で生きてきました。日本はかつて日本に親交のあった外国人からこう言われていたそうです。「日本ほど貧しい国はない。しかし同時に日本ほど美しい国もない。この国は貧しいながらも、常に洗い清められている。貧しさを超越し、何かを持っている」と。
そんな環境で生きてきた日本人は、現代では金銭物質主義とも言えるような流れの中で生活しています。今こそわたしたちは、自分たちのルーツから生活を見直し、これからどう生きていくか考えなくてはならないのではないでしょうか。内なる日本人の特質について知り、日本の生活を見直すのです。
まず大きな特徴として地理的環境があるでしょう。日本は森林山岳国家でありながら、海洋国家・島国という特性を持っています。その中でも、わたしたちの生活に大きな影響を与えたのは、日本が森林に覆われ、深い山・森の中で暮らした「山・森の民」であるということでしょう。森林には生命の根源である水が溢れています。日本が「粗い清められてた国」というのは、その森林が生み出した水で穢れを洗い落としたからでしょう。森と山は自然の力でいっぱいなのです。
それは日本人の神の発見につながりました。人々の暮らしは恵みをもたらされたり、反対に災いの力に襲われたりしてきたのです。その大いなる力の中に日本人は、自然の偉大な力を感じてきました。それが神の発見。生活に直結した神の存在は、強い信仰心を日本人の中に芽生えさせました。それは真の信仰心、心の底からの信仰心であったのでしょう。今でも古い社などを訪ね、「ご神体は何でしょうか?」と問えば、山や森などの自然を指すのだそうです。わたしたちは自然の中に神の存在を感じてきたのです。そんなことを経験してきた田口さんはこう言います。「わたしが外国人に日本人の特徴、国民性は何だと聞かれたならば、こう答えることにしています。鋭い感性と深い精神性である、と。」自然に神を感じるという感性、それを真に信仰した精神。それが日本人の特性だ、と言われるとわたしは自分が日本人であるのを誇りに感じずにはいられません。
歴史を学べばわかる通り、ギリシャやインドにも神という存在はあります。そしてそれは「像」という形に表されています。しかし日本の自然の神には像というものがありません。それは日本人が自然と共生してきたから、自らが信ずる神たちと共生してきたからだ、と田口さんは語ります。
もう一つの地理的特徴を上げるならば、ユーラシア大陸の東端、極東に位置するということです。西から新しいものが伝来してくる中、日本より東には流れることはありませんでした。太平洋によって隔てられていたからです。日本には流れてきたものが溜まりました。そこで何が起こるか、文化が熟成するのです。仏教や禅も、日本で昇華させられたものでしょう。そして中国から流れてきた老荘思想。これも日本で昇華したものです。地理的特徴はここまでです。
ここで老荘思想の成熟について見てみましょう。
老荘思想の考え方の中心にあるのは「道」という概念です。道というものは見えないものです。その見えない様子から、「無」であるとも言えます。「無」こそ自然の姿なのだということ。この場合の自然は先ほどまでとは違い、natureではありません。「自ずと然り」なものだと田口さんは言います。禅、仏教もこのことと関わりがあります。禅や仏教の世界では、心で心に伝えるのだそうです。それら心は文字にしてしまうことで、成り立たなくなります。「無」の状態そして何も描かない・書かないことで、多くを語る・伝えるという点では、「道」も禅、仏教も同じだということです。
日本の地理的特徴は考えました。老荘思想の成熟についても見てみました。それでは日本人の生き方や生活が完成する過程はどうだったのでしょうか。
日本人の生き方が完成するのに貢献した人物がいます。それは藤原定家、世阿弥、千利休、松尾芭蕉の4人です。それぞれがどう貢献したのか、見ていきましょう。
定家は「見渡せば 花ももみじもなかりけり 浦の苫屋の秋の夕暮れ」という歌を詠みました。花ももみじもないと言っている部分から、想像上の色鮮やかな情景を想起させます。
世阿弥は見えない世界を扱うことで貢献しました。この世のものとは思われぬ、霊の世界を見せ、それを体験させたことで人々の心を動かしたのです。それは夢幻能とも言われました。見えないものや形ないものの中に何かを感じるという気質は世阿弥が残したものなのかもしれません。
利休の世界は様式美です。ほんの一杯の茶、すぐに飲み終えることのできる茶ですが、それを時間をかけて味わうということ。そして彼は茶室の部屋を狭くとったそうです。その部屋は四畳から二畳半へと狭まりました。田口さんも利休の茶室を訪ねたことがあるらしいですが、それは思ったよりも広くて美しいものだったそうです。
そして最後に芭蕉ですね。彼はすべての文字を一度捨てさった上で、文字を取り出し、その文字によって独特の世界観を創り、わたしたちに示したのだそうです。そして彼は文字を捨てたように、すべてを捨て旅に出ます。その後彼は紀行文学と呼ばれる分野を樹立したのです。しかし彼はそのような分野の樹立を意図していたわけではありませんでした。彼は旅を住みかとしたのです。それが彼には自然な流れ、自ずからあって然るべき道だったのかもしれません。
それではわたしたちは昔のような生活に戻らなくてはならないのでしょうか。いいえ、それは違います。田中さんは今回の講演の終わりをそのようには締めませんでした。答えは「東洋と西洋の知の融合」を目指すということでした。原理・原則、つまりプリンシプルに優れているのは東洋、そして技術、つまりスキルは西洋が優れています。これを融合させることで、見方が変わる。それを講演の終わりとしたのです。
しかし融合させるのは簡単なことではありません。考えてみれば異質なもの同士ですから、当たり前なのかもしれません。そこで自分のルーツ、日本や東洋思想をたどることが重要なのです。東洋の生き方を知り、その精神を学んでから、西洋思想へとアプローチしてみる。それで西洋思想は、以前とは違って見えるのだそうです。
そして東洋思想を学び、自己を確立することをアドバイスとして述べてくださいました。東洋人であること(東洋人としてのアイデンティティ)の確認と自覚をできれば、自分の基盤が安定します。その基盤の上に「大局観」を身につけることの大切さを説いてくださいました。大局観とは、すなわち根源的、歴史的・長期的、そして多様的観点のことです。物事を縦に深く掘り起こし、その根源を知ること。そして横に時間をたどり見ることで、その流れを知るのです。それができれば多様的に物事を捉えることはできるようになっていると。その大局観は人の一生の財産になるのです。
大局観を身につけるには、この縦に見ることと横に見ることの繰り返しと訓練しかないです。田口先生が述べたのは、まず縦に見る力を訓練し、鍛え、人にその点を認めてもらえるようになったら、縦はクリア。次は横。横に見ることをひたすら練習し、人がその点を認めてくれたならば、大局観は身についているとおっしゃりました。
自分のルーツ、東洋を見つめ直すということ。その果てにある、西洋との融合と大局観にたどり着くこと。またわたしに喜ばしい課題と目標が増えました。
慶應MCC「夕学五十講」が運営する参考ページ http://www.keiomcc.net/sekigaku-blog/2011/07/post_448.html
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